Tabon-Rien’s blog

徒然と雑然と

俳句シリーズ389

 我が子でも 眼差し敬意 試合にて

 昨日は、我が家の上の子は日曜にも関わらず剣道の試合で和歌山に行っていた。

 前日は午前3時起き、車で3時間半程かけ試合会場「和歌山ビッグホエール」へ向かう強行軍。

 前日に子のたまう。「強いチームの強い選手が出場しているやろうし、勝てるイメージが湧かないな」とよくある気弱な発言。

 父思ふ「始まる前から気持ちで負けてるようではねぇ」。しかし、励ましの言葉をあの手この手でかけようと、急に強気な勝ちのイメージ満載で試合に望めるかというと、難しいことは、以前の試合前から分かっていることで。

 我が子の特徴、良く言えば優しい、悪く言えば気弱。

 勝負ごとにあまり向かない性格なのは、重々承知している中、ただの励ましでは響かないし、奮い立たないだろうことは、おおよそ分かっていたので母と相談の上、ある条件を提示。それは、「試合の勝ちの数によって、春休みゲームやユーチューブをして良い時間をあげる」という、大人の世界でいう成果型の報酬体系を提示。しかし、何故、子供が夢中になる2大媒体「ゲーム」と「ユーチューブ」を彼は禁止されていたのか。

 これは遡ること3ヶ月程前。彼はある虚偽報告罪という罪を犯してしまったためでありまして。事件の概要は、出された宿題を全くやっていないというシンプルなものであった。しかし、悪質な点として、学校の先生には宿題を忘れたと言い、家では宿題をやったと言うダブルスタンダード(2枚舌)を使いながら、ひっそりとゲームやユーチューブに興じるという生活を続けていた。

 天網恢々疎にして漏らさず。

 その隠蔽生活は長くは続かず、ある1本の電話で終了を迎える。

 学校の先生から、最近宿題が提出されないという電話があり、問い詰めたところ涙ながらに自白。これは看過できないと考え、ゲームとユーチューブの無期限禁止の罰が確定。ここ3ヶ月間程、ゲームやユーチューブの禁止というスプラサイドオーダーのような彩りのない世界を過ごしていた彼にとって、明日の試合で発奮する動機の一つになるかは未知数であったが、両親側としては賽を投げた感あり。果たして。

 そして、昨日の試合結果。

 我が子が所属する団体からは、A、Bの2チームが出場。Aが本命、Bはサブという位置付けの中、我が子はサブのBチーム。Aがまさかの1回線負け、Bはこれまたまさかのベスト16まで残るというサプライズ結果。

 我が子も5試合中、3勝2分けの見事な奮闘。朝の3時に起き、夕方まで試合を行い、そこそこ良い結果を残すという一番良いシナリオに落ち着いた。

 そして、めでたく彼は春休みに禁止されていた「ゲーム」と「ユーチューブ」」を楽しむ権利2周間分を獲得。試合の結果を上げたことは勿論のことだが、自分が剥奪されていた権利を、自分の頑張りや結果を残すことで取り戻したしたという体験は大きいと思ふ。

 「ゲーム」と「ユーチューブ」。これは一つの奮闘する材料であって、全てではないと思うが、試合で頑張り、自身の手で以前あった自身の権利を取り戻した我が子に敬意を表す。おめでとう、勝利、おめでとう、解禁。

 昨日の大会で疲れているはずだが、今日の朝の学校へ行く彼の顔は、どこか晴れ晴れとしていた。これから先も、良い番狂わせを演じてほしいもので。合唱。


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