Tabon-Rien’s blog

徒然と雑然と

まけずの鍔

剣の道をのらりくらりとゆっくり進む我が子。

 剣道始めてかれこれ4年程。思えば、あれは小学1年生の時。集団下校の帰り道、同じ登下校班の女子に傘を取られ泣いて帰ってきた我が子。

 当時、我が子のこんな状況を見聞きした親としては、今後もこれからの学校生活の中でこういったシーンに出くわすことが容易に想定できた。そういった中、我が子にも対外的な武力だけでなく、「こいつは手を出すと危険」と相手に思わせ衝突を回避する抑止力が必要だと感じた。

 そこから、子供の意向は100%無視、親の意向100%で武道を習わせることを決定。剣道場に通わせることにした。当然、自分の意思ではなく、親の意向・心配を受けて始めさせられた剣道。当然のことながら、練習においては対して身も入らず、当初教室では泣き続けていた。また、同じ年に道場に入った同い年の子たちに比べ、昇級も遅く、学年が上がり試合に出ても良い結果がでない状況が一時期ずっと続いていた。

 上がらない我が子のモチベーション、親は周りの子と比較し、焦燥感にじりじりと焼かれ、イライラするといった悪循環。所詮、人に決められて始めたこと。道場への送り迎えの際、我が子からぼちぼち「剣道を辞めたい」の最後通告がでるのかと予想していたが、特にそういった言葉はでなかった。

 その後、部員が少ないことも幸いし、ありがたいことに我が子は試合に継続して出場する機会に恵まれた。嫌々ながらも練習を続け、試合にも継続して出場したからか、少し場馴れしだした頃から、練習試合や公式戦でも少しずつながら勝ちを取れるようになり、負けることが少なくなってきた昨今。

 果たして、これはどうしてか。親なりに振り返り分析してみたところ、

  ①基礎が身に付き動きに活かせるようになった 

  ②上背が伸びた 

  ③色んな点で場馴れしてきた

  ④勝ちが取れるようになって意識が変わった

  ⑤負けずの鍔を試合前に食べる

 ①〜④については、武道に限らずスポーツの世界ではある種の共通部分、子供によってその機会が訪れるのが早い・遅いの違いだけだと考えられる。

 その中で少し変化球なのが、⑤の「まけずの鍔」。試合前の験担ぎ。今ではルーティーンと呼ばれる一種なのだろう。試合前にこれを食べると不思議と勝率が良いということを発見。そんな「まけずの鍔」について、普段食べてはいたものの、あまりその由来を知らないかったので、少し調査。

 まけずの鍔は、滋賀県安土町に本店を置く和菓子屋「万吾棲」さんが作られている最中。味は素朴な風合いの美味しいお菓子です。

 我が家では子供の剣道の試合前の験担ぎお菓子となっているが、その由来は、日本史の教科書に今も恐らく書かれているであろう「桶狭間の戦い」に望む織田信長が戦勝祈願を行った時のエピソードにあるとのこと。

 織田信長が、先勝祈願を込め熱田神宮を詣でた際、神殿から鈴の音と異様なひびきが聞こえ、それを神託と捉えた信長が、必勝を誓い当時の通貨 永楽通宝を一握りし空高く投げた後、すべての永楽通宝が表を向いて地上にあったことから、神の加護の下、自軍が勝つことの確信に至り、見事桶狭間にて勝利を収めた。

 桶狭間での勝利後、信長は自身の愛刀の鉄鍔の表裏に永楽通宝を細工し、次々と自身の覇業を礎を築いていったことを受け、「まけずの鍔」というブランドが生まれたとのことであった。何かの勝負所があるときは、一度勝負菓子として食してみるのも一興かと思いますので、一度、皆さんもお試しを。

 今後も、我が子の剣道は「まけずの鍔」を験担ぎで食べることで、勝率が上がっていくのか、少し楽しみにしつつ今日はこれにて。

まけずの鍔 包装紙(由来の記載もあります)

合唱。