Tabon-Rien’s blog

徒然と雑然と

俳句シリーズ85 Beyond

 

 何ゆえか 格上相手 金星に

 昨日は剣道の大会。我が子は、一回戦から別チームの優勝候補で学年が1つ上の六年生との対戦。いつもの如く緊張していた模様。また、同じチームの友達や保護者、先生達も…「あ~、これは厳しい.。o○」の表情と、結果がある程度見えたなという未来予知。オッズ30倍~50倍。

 試合が始まり、いつも通りというと大変失礼だが、先に相手に一本取られる展開。

 これはある種定番のストレート負けが、保護者、先生一同頭をよぎる。一本先取され、試合の流れも、気持ちも淀む展開かと思いきや、相手もいつもの相手と勝手が違うからか、勝ちへの気持ちが先走り過ぎたのか、勢い余り場外へ二回でてしまい、反則一本が我が子にもたらされ、イーブンに。

 不思議な福音による我が子の勝利で、最終の3本目の戦いに勝敗の行方が持ち越される。

 本来、回を重ねるごとに盛り上がっていくのがこういった勝ち抜き戦の醍醐味のはずだが、その流れを真っ向否定の第一試合。

 我が妻を含む保護者、先生達、チームメイトの応援の盛り上がりは最高潮に。

 普段は会場の空気にのまれ萎縮し、動きが鈍くなる傾向だったが、今回は朝から父母が授けた教え、「自分から当たっていく」をこの土壇場でも実践。

 相手も後がない状況。必死に食らいつかれることに慣れてないのか、先程の場外でためらいがあったのか、相手が怯んだ隙を見逃さず一本をお見舞いし、試合を決めた。

 下馬評を覆し勝利する。ほぼ周りはノー期待の中での勝利。勝利したその姿に妻は号泣、先生も保護者の一部ももらい泣きという連鎖的な副作用がもたらされ、一回戦を歴史的な勝利で幕を閉じた、さながら、WBCの決勝戦のような熱狂を宿し。

 試合終了後、対戦相手チームの先生からも、良い打ち手だったと賛辞を送られていたことを、普段口数の少ない我が子が教えてくれた。相手チームの指導者は本来なら敵対する関係でもあるけど、ある種の支援者となってくれたことを知り、暖かい気持ちとなった父母。

 普段口数も少なく、人の輪にも余り入る訳ではない子だが、今回は本人も相当嬉しかったようで、試合後、泣いて勝利を噛みしめていた。

 そんな優勝候補を破り、熱狂をもたらした我が子。この勢いで優勝かと思いきや、二回戦てチームメイトと対戦。ストレート負けではなかったが二回戦敗退となり、我が子の春の大会は終了。

 その後も大会は進み、我が子が二回戦で破れたチームメイトが優勝。優勝候補と優勝者と一・二回戦で当たるという不思議な巡り合わせ。

 今回は良い意味で期待を裏切る、普段目立たない人がいつの間にやら成果を得る典型であったように思う。

 これからも、我が子のたくさんの裏切りを楽しみにし。あくまで良い方の意味だけで願いたいもので。

 そして、人に応援してもらったり、手を差し伸べてもらえる人柄であって欲しいとオモった。合掌。

    

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