Tabon-Rien’s blog

徒然と雑然と

アンディ・ウォーホル

 京都にて、昨年から京セラ美術館で開催されていた「アンディ・ウォーホル展」に週末に行ってきた。

 言わずと知れた、ポップ・アートの騎手であるアンディ・ウォーホル。1960年代以降のアメリカ美術界を席巻したポップ・アート。自身がその作品群に触れたのは、20年程前、パリのポンピドゥー・センターで開催されていた「Les annee Pop」だった。

 ポップの言葉通り、何せ取っ付きやすい。また、日用品や有名なミュージシャンや映画俳優、アニメやイラストをモチーフにした作品が多く、親しみやすい。

 若かりし頃、異国の地で初めてそういった作品に触れたことは大きな刺激となり、大学の卒業論文アンディ・ウォーホルをテーマに書いた。それに飽き足らず、ウォーホルが作品作りに使っていた「シルク・スクリーンプリント」を実際に体験するため、造形大の短期講座の受講もしていた。当時はアンディ・ウォーホル一色であった。 

 ポップ・アート作品の制作者で、アンディ・ウォーホルと共に必ず名前がでてくるのが「ロイ・リキテンスタイン」。完全な好みの問題なんでしょうが、何故かウォーホル作品程惹かれない。アニメ作品をモチーフにした作品が、リキテンスタインの特徴なんですが、これは今で言う「村上 隆」の作品に近く、実在するモノや人物をモチーフにしているウォーホル作品の方が、日常の延長線上にある手触りのようなものを実感できるから好きなのかなぁと自身は思う次第です。

 とまぁ、感性がまだ柔軟な時期に、戦後のアメリカ美術界の一大潮流ポップ・アートを知り、体感し、夢中になったことが影響し、今もポップ・アート、中でもアンディ・ウォーホル作品への興味は持続継続中。

 そういった思い出を抱えつつ、今回、京都で初開催(恐らく)のアンディ・ウォーホル展で作品を鑑賞。商業イラストレーター時代の靴の絵やケーキの絵といった初期作品、お馴染みブリロの洗剤の箱や牛、当時の有名人の肖像画等の中期の作品群から始まり、死を連想させるものをモチーフにした後期作品群等、多彩な展示がなされており、感慨深く鑑賞させてもらった。

 加えて、アップルのロゴやパンダ、最後の晩餐のオマージュ作品等、お恥ずかしながら、まだ見たことがなかった作品もあり、年齢を重ねた今でも新たな刺激やワクワクする感覚を与えてもらったように思う。

 ポップ・アートを通じ、「美術品は一点もの」といった既成概念に対し、日常に根ざすモノや人をモチーフに取り入れた作品で、「美術品は一点ものでなく、複製可能なものこそ美術品」という概念や潮流を軽やかに明るく提示したウォーホルの野心的な取り組み。そういった点をとても刺激的に感じたその昔。

 入り口は広く、奥行きは深い、ポップ・アートの世界。

 ポップ・アートに限らず、自身の感性を刺激するものとの出会いを、大切にしていきたいと感じた展示会だった。

アンディ・ウォーホル展 その①

 

アンディ・ウォーホル展 その②

アンディ・ウォーホル展 その③

合唱。